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朝になるが春彦は熟睡している。
春彦は朝がまるっきり弱いのだ。
いつまでたっても起きてこない春彦に対して痺れを切らした別府が駆け寄って来た。
タッタッタッ ガラッ!
別府『春彦どん!いつまで寝ちょっとか?準備しっくいやい。そろそろ行っど!』
春彦『はい…………』
春彦は寝ぼけ眼でゆっくり起きてきた。
別府は春彦のボ~とした姿を見て笑みを浮かべながらも準備を急かした。
桐野、別府、春彦の三人は隼人(霧島市隼人町)の日当山温泉へ向かった。
錦江湾から望む桜島。
平成の時代と変わらない姿。
春彦は桜島を見ながら歩いた。
幼い頃、父親に「桜島のように大きく、どっしり構える心を持つ男になれ。」と言われたことを思い出しながら…
隼人に着くと狩りから帰ってきた西郷と対面した。
桐野から事情を聞いた西郷は春彦の前に座った。
この時代あまり見ない大きな身体、大きな目、ゆっくりとした口調、この人が春彦の尊敬する西郷隆盛だった。
春彦は感激しながらも史料館で見た肖像画と目の前にある顔がまるっきり違うことに驚いていた。
しかし、春彦は気を取り直し、話しを進めた。
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