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「この家にはジンさん一人だけなんですか?」
僕は思った事をそのまま口に出してしまった。
ジンは相変わらず冷たい眼をこちらに向けて、「ええ」と肯定する。
「細かく言うとあなたを含めて二人ですが……。家族達は皆出払っていまして、いつ帰ってくるか分からないのです。」
つまりジンはこの家に一人で暮らしていたことになる。
ジンの家族……。会ってみたいと思った。
ひとしきりチェスを楽しんだ後、部屋にあったシャワーを浴びる。寝る前にもう一度あの特効薬を飲み、一日目を終えた。
◆◇◆◇◆
二日目。ジンは特効薬を調合する為の薬草を採りに出かけた。主人不在の洋館で、一人留守を任されてしまった僕はとにかく暇だった。なんてったってする事が無い。
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