好き…かも

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放課後、ある一定人数だけ調理実習が行われる。それは先生達だったり上級生だったりの昼食の下ごしらえだった。 瑞希が当番のとき、荻原も同じ当番に当たった。幸いなことに今日は当番なので電車で帰ることになる。なので門限もいつもより多少送らせてもらった。学校の授業の一環なので当然のことだが、それが妙にうれしくて一人浮かれていた。 というのも箱入りで育った瑞希は電車もまともに乗ったことがないくらい出かけたことがなかった。なので実際ひとりで電車に乗ることが正直不安だった。だが、この日は荻原が一緒だ。荻原は毎日自転車で通っている。その為、自転車をひく荻原と一緒に帰ることになっていた。それは琴歩が荻原に「ちゃんと送って行け」と言ってあったのである。だから電車には乗らず徒歩で駅まで行きそこからバスでの帰宅になる。それだけで妙に嬉しかった。
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