第六章 予想外の脅威!そして再会する!?

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【それ】は愛らしい顔に獰猛な表情を浮かべ、ヒゲはアンテナみたいに鋭かった。尻尾に紫色の怪しい光沢のリングがはめられている。 それは大きさこそかなり違うが、まぎれもなく……。 「ド…………ドブ……」 アーシャは予想外の【敵】に、ひきった声をあげる。 イザナはかわりに言った。 「巨大ドブチュー」 はるか頭上から、赤い目でイザナを見下ろしている。 「ドブネズミが【邪道具】で魔物化したみたいだね。どこかで実験され、逃げてきたらしい」 イザナは呟いた。 全身をおおう短い毛がハリネズミのようだった。 「【邪道具】絡みなら、僕もそれなりに相手するしかないか」 ひとりごち、剣を引き抜く。 腰にあるどこでも売っている安物の剣ではなく、 背中に背負っている漆黒の鞘から。 夜よりも深い闇色の刀身がのぞく。 それを軽く構え、イザナは剣の先を巨大ドブチューに向けた。
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