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「それより、なぜアルマはここに?」
イザナはさりげなく後ろに下がりながら、アルマに聞いた。
「エルマにイザナのことを聞いたから、探しに」
アルマは胸をそらすようにしながら言う。
――広い王都で下水道を探そうとは思わないだろう。
イザナは内心で思った。
「ふふ……イザナのことなら、なんでもお見通しです」
アルマは微笑んだ。
確かに。
アルマはかくれんぼのとき、いつもイザナを見つけていた。
どんなに難しい場所でも、一番最初に。
イザナは疑ったものだ。
アルマは何らかの紋章をつかって探しているのかと。
「イザナこそ、どうしてここに。エルマの話だと牢獄に……」
「それがさ。僕が女の子を……」
女の子?とアルマは首を傾げる。その顔がなぜか少し不機嫌そうだった。
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