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「女の子がどうしたのですか?」
アルマは静かに言って、なぜかイザナに剣を向けた。
「助けた――というか、巻き込まれただけだけど……それをエルマは勘違いをした、というか」
イザナはアルマに答えながら、
――なんで僕はアルマに言い訳を?
と、思った。
「エルマの話だと、あなたが主犯だと」
「誤解だよ。僕がそんなことするわけないじゃん」
「そうですね」
アルマは頷いた。
「あなたが幼少、趣味がないのはわかりましたが……って、イザナ?」
「ん……なに?」
「なんで下がっているのです?」
「いやいや、気のせいだから」
「そうですか?でもあきらかに……」
「それはさ」
イザナはなぜか照れ臭そうに言った。
「緊張しているから」
「え?」
アルマはキョトンとするように目をパチクリさせた。
――マスター?
アーシャは怪訝そうにイザナを見る。
「アルマとふたりきりで(アーシャのことをあえて忘れて)……緊張して」
「えぇー!?」
アルマは驚いた顔をした。
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