ぷろろ~ぐ

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「『ラグナス』の姓に頼るから、僕はダメになるんだ。これから僕は一人になり、アナタを超える力を手に入れる」 「この俺を超えるだと?」 イザナスはクツクツと笑った。 「できるのか?落ちこぼれの貴様に?」 それには答えず、少年は拳を握っただけだった。 ――できる。必ずあなたを超える…… 言葉では簡単だ。 しかし。どうやって強くなるか。そのあてがない少年は口にできなかった。 「俺は貴様にセンベツをやるほど優しくないぞ」 知っている。そんなことは。父親は実の息子より紋章の王国を愛している…… 「わかっている」 「そうか。なら、さっさと出ていくんだな」 ……そのつもりである。 「――お兄ちゃん!!」 妹の制止の声を無視して、少年は練習場を飛び出した。 家族と……一族と決別する覚悟をして。
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