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「チカゲ。君が僕のことを狙うのはアルマ姫の命令か?」
こくん、とチカゲは頷いた。
「殺――とらえなさい……と言われた」
「なんか、はじめ物騒な言葉が聞こえたけど?」
チカゲは首を振ってくる。
「……気の……せい……」
「そうか……」
イザナは頷き、
「それで。君はどうしたい?」
「どうしたいとは?」
「僕をとらえるつもり?」
「……つもり」
「簡単につかまる気はないけど」
「……たいした……自信」
「自信はないけど」
「無理……夜は……チカゲの力を通常以上に……増幅させる。……逃げ切れない」
チカゲは小さく笑う。イザナはほけっ、とチカゲを見た。
笑わないチカゲがそんな顔を見せたことに、イザナはある意味感動を覚えていた。
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