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「チカゲ。君は想像力はメルヘンだね」
「……恥ずかしい……」
チカゲはぼそぼそと言う。その頬は赤くなっていた。
建物の影の中から出現したものは……。
大砲らしき巨大な筒だった。しかし、海賊船にあるようなごついものではなく、砲弾のかわりに旗が飛び出しそうなほどかわいらしかった。
思わず微笑みたくなる。
「……シャドウウエポン……ガンガン」
「あのさ。ごめん。ネーミング悪い」
イザナは困ったように手をあげた。
すると。
「死んじゃって……イザナ。……ガンガン……」
チカゲの呪文(?)が聞こえたかと思うと、ぱふ、と気が抜けたような音がイザナの耳に届いた。
イルカのようなものが、飛んでくる!
イザナは剣を構え……。
「……散……」
チカゲが小さく呟き……。
「――!?!?」
イルカがいくつも分離し、細い火の弾丸と化して、イザナを襲う!
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