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『何をそんなにイライラしているのだ?』
「何を?言わなくても分かっているでしょうが」
少女は巨大ハンマーをぶん回す。
「いないのよ、いないの!どこを探しても【彼】がいないの!」
叩きつけるように叫んでから、少女は顔を動かす。
少女には見えなかったが今、自分がどういう状況なのか分かった。
少女のかわりにあたりを確認した白蜥蜴はため息のような音をもらす。
ここは寂れた村だった。廃墟になって十数年、経過しているかもしれない。
人が決して寄り付かなくなった場所には人ではなく別の奴らが住み着いていた。
十数体の魔物である。
しかしたまたま立ち寄った謎の少女によって滅されていた。
「風のせいでにおいも散っているし、ホントにムカーーッ!だよ!」
憤慨している少女は後ろに殺気があることに気づいて巨大ハンマーを振り上げた。
がん!と何かが巨大ハンマーにぶつかった。
『フム。まだ生き残っていたヤツがいたみたいだぞ』
「――うざい!」
少女は叩きつけるように吐き捨て、後ろへ左手を向けた。
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