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「昔のことなどは関係ありませんね。今が大切ですから」
リウルはどういうわけか、壁にかけてある木刀を手にした。
その様子をアルマは不思議そうに見た。
「リウル様?」
「二の姫様。少し戦闘訓練にお付き合いしましょうか」
リウルは小さく笑いながら言う。
「……リウル様と?」
「はい。もちろん手加減はします。あなたの覚悟とやらを見せてもらいたいです」
――みんなを守れるほどの気持ち。
「わかりました」
アルマははっきりと頷くと、彼女も木刀を手にする。
二人は訓練所の中央に行くと向かい合うように立つ。
二人は軽く頭を下げ、木刀を構えた。
「二の姫様、どこからでもかかってきてください」
「はい。お願いします」
そして。
アルマは床を蹴り、リウルへと……。
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