第四章 白狐爆発寸前!動き出す姫!?

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アーシャがいらついている……。 イザナにはわかっていた。 冷たい床に寝転んだまま。アーシャを眺める。 アーシャはいったり、きたりを繰り返していた。 と思ったら立ち止まり、天井付近を見上げ、なにやらぶつぶつつぶやいている。 ここに閉じ込められて、果たしてどれほど時間が経過したか。 窓ひとつない部屋だ。時間などわからない。 こう長い時間、密閉された場所にいれば気が狂いそうだが、イザナは平然としていた。 イライラしているアーシャを眺めながら思う。 彼女はそろそろ限界だと。 ばち、ばち!……となにもない空間に静電気が走る。 部屋全体が悲鳴をあげている音が聞こえた。 やばいね、これは……。 そう思って、 「アーシャ」 イザナは白狐に声をかけた。
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