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「なんですか?マスター?」
アーシャはイザナを振り返る。
いぬくような視線を向けられた。
だがイザナは気にした様子もなく、
「少し落ち着いたらどう?」
「落ち着いたら?」
アーシャは顔をあげた。
「これが落ち着いてられますか!」
アーシャの一喝。殺気が渦巻いている……。
「マスター、いつになったら出られるんですか?」
「さあ」
イザナは首をひねった。
「ラグナス家が僕の引き取りを拒否しているんだからしかたないし」
そんなイザナを眺めて、
「……マスター……よほど嫌われているんですね」
アーシャは冷めたように言った。
「うん。そうだな」
それでもイザナは悲しげではなく当然のことのように受け止めている。
「父さんをのぞけば今の当主代理に嫌われていたな」
「当主代理?」
「ん……そう。シーズ……兄貴に」
イザナはやれやれと呟いた。
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