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「な、なにを……」
聞くエルマの声は震えていた。
「あなたが今なにをしようとしているのか知りたいですから、実力こうしにでようかな、と」
――笑顔で言わないでよ……。
エルマは心の中で悲鳴をあげた。
「なんで、そんなことを。今までしなかったじゃないの!」
アルマは考えるそぶりすら見せずに、
「理由はありません。でも、今回はあとにひくなと【神様】のお告げが」
「そんなのあるわけないでしょう!」
エルマはすぐさま返す。
イザナがからんでいる。アルマは無意識にそう感じたのかもしれない。
「エルマ、構えなさい」
アルマの禀とした声がエルマの耳に届く。
エルマは顔をあげて息を飲んだ。
姉の静かな眼差しにぞくっ……とする。
姉が本気だとわかった。
エルマは構えをとらされる。
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