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「ね、姉様……」
――なぜこんなことに……。
とエルマは思った。
いつもの姉は日だまりのようで……春のような笑顔を浮かべている。
実力で言うことを聞かせるようなことはしない。
――女の勘!?
のようなものがはたらいているのだろうか。
エルマは対峙するように姉を見る。
やけに喉がかわいた。緊張する。
そして……。
銀の羽根が暗闇の中に広がった。
――ようにエルマには見えた。
アルマの髪である。月光を浴びてキラキラ輝いていた。
見とれること十秒。はっ!としたエルマは慌て、呪文を唱え、紋章の力を発動させようとする。
エルマの右手の甲に【炎】の紋章が浮かんだ。
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