第四章 白狐爆発寸前!動き出す姫!?

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エルマは姉に向けて右手を差し出すように構えるのだが……。 ――いない!? すでに目の前に姉の姿はなかった。 かわりに背後に出現する気配がひとつ。 そして、頬に触れる冷たい感触。――剣? 「エルマ、油断のしすぎですよ?」 聞こえてきた姉の声。 ――油断は……してなかった。 姉は紋章を使わない――使えないと知っていたが、姉の姿を見失わないように見ていた。 エルマはいまさらながらに姉がどう呼ばれているか知った。 姉はいくつも名前で呼ばれていることがある。 ――【癒しのお嬢様】。 ――【日だまりの微笑】。 そして、 ――【戦姫】(いくさひめ) エルマは心の中で呟いた。 冷や汗が流れる。
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