第五章 ついに脱出!しかしすぐに闇の中に。

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「そう。今、脱獄の途中ですわ。それなのに、なぜのんびりと」 今、イザナ達は脱獄したばかりだった。しかし、牢獄の部屋があった建物の中である。 S級犯罪が収容される場所で、あちこちに魔術封じが施されていた。 漆黒の床と壁、そして天井。ひんやりとした空気がゆくっりと流れている。 「すでにここを取り締まっている紋章魔術師に気づかれているはず。そうそうに逃げないとつかまってしまいますわ」 ――すべてマスターのせいですわ。 みたいに言うアーシャを、イザナは半眼で見遣る。 「誰のせいで。気づかれたと思っている?」 「なんのことです?」 しらをきるようにそっぽを向くアーシャ。 イザナはさらに続けた。 「君の【力】のせいだろう」 と、自分たちがきた方向を指差す。 「君が【力】で牢を爆破したから、追われることになっているんだよ」 「………………そうでしたっけ?」 アーシャは口笛などをふいてとぼけようとしている。
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