第五章 ついに脱出!しかしすぐに闇の中に。

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「もう少し静かにしてくれればよかったんだよ」 「それは無理というものですわ。そこら中に施されている魔術封じ。うっとうしいから潰すほうが簡単ですもの」 反省の色もない白狐にイザナはため息をした。 「誰に似たんだか」 「それよりマスター……」 イザナのぼやきを無視してアーシャが言ってくる。 「ん?なに?」 「今からどうしますか?」 「僕の荷物を返してもらい、そのままトンズラする」 「逃げ腰、ですか?」 「ここで騒ぎをおこすのはまずいだろう?」 「すでにおそし、ですわ」 イザナにも聞こえた。 近づいてくる複数の足音。 「これは仕方ありませんね」 アーシャはやれやれと呟き、前方を見据える。 その目は爛々に輝いていた。 「さくさくとやっつけましょう」 「平気で物騒なことを言うね、我が姫は」 イザナは呆れたように言った。
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