第五章 ついに脱出!しかしすぐに闇の中に。

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エルマである。 「イザナ! あなた、どういうつもり!?」 杖をイザナに向けて、きつく睨んでくる。 「どういうつもり、とは?」 イザナは不思議そうに、首を傾げた。 それにムッ!ときたのか、 「脱獄するなんて!あなたは本当の犯罪になりたいの!?」 「ん……僕もなりたくなかったんだけど。いつまで経っても釈放されないから、それで……」 「だから!わたしが交渉していたんでしょ!」 「エルマ……その交渉するだけ無駄じやなかったか?」 「そ、それは…………」 エルマはしどろもどろになる。 失敗以前の問題だろう。交渉自体、できなかったのだ。 門前払いされたはずだ。 「だったら、自分でどうにかするしかないわけだし」 「だからって……」 エルマは泣きそうな顔でイザナを見る。
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