第五章 ついに脱出!しかしすぐに闇の中に。

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屋根の上とは思えないほど素早い動きだ。 イザナとの間合いを一気に詰め、エルマは炎の刃を凪ぐように振った! ザン!と赤い軌跡が走る! 炎の刃はイザナの喉元を凪ぎ――虚空を切り裂いた。 ――避けた!? エルマはわずかに眉をひそめた。 ふいをついた攻撃だったはずだ。 それを足場が悪い屋根上て距離をとるなんて……。 ――なるほど……。 エルマは顔をあげて、別の屋根に移動したイザナを見た。 ここ数年、なにをしていたのかわからないが、戦闘訓練をおこたっていなかったらしい。 ――イザナの動きははやい。 でも。 「わたしが捉えられないほどじゃない」 唇を歪め、エルマは呟いた――。
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