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「まいったな」
イザナは少し困ったように言った。
「エルマ……本気だ」
「なにをいまさら」
と、アーシャは呆れたようにイザナを見た。
「エルマ姫様からびんびんに殺気が放たれていますわ。あなたを殺す気です」
真顔で言う。
「それで今回はどうします?」
「どうする、とは?」
「いつまで逃げ腰でいるつもりです?」
「でもさ……」
イザナは頬をかきながら、
「男として女の子を傷つけたくないというわけよ」
あさってを見る感じで口にしたりする。
「もし相手が男だったら」
アーシャの言葉に、イザナははっきりと――きっぱり言った。
「――ぶっ倒す!」
即答。
拳を握りしめて。
……アーシャは冷めたようにイザナを眺める。
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