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「イザナ!殺されたくなかったら剣を抜きなさい!」
杖をイザナに向け、エルマはきつく言う。
「ごめん、僕は相手にするつもりないから」
「そんなことを言っても!わたしは逃がさない!」
叫び、エルマは屋根を蹴る。
鋭い風の音。
避けたイザナの横を炎の刃が振り下ろされる。
すかさずエルマは攻撃を繰り出した!
それらをすべて紙一重でかわしながら、
(このしつこさ。誰に似たんだか)
イザナは心の中で呟いた。
『マスターは女に恨まれる傾向があると』
イザナの頭の中に直接、アーシャの声が響く。
――念話である。
イザナとアーシャの【繋がり】が深いからできるのだ。
アーシャが人の言葉を喋るのはイザナがいるときだった。あたりに誰かがいると心の中で会話する。
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