25887人が本棚に入れています
本棚に追加
/285ページ
『アーシャ、それはどういうことだ?』
『言葉の通りですわ。マスターはこの国に来る途中、何人の女に絡まれたことか』
アーシャは小さく息を吐き出した。
『そして毎回、恨まれていましたわよね?』
『恨まれたかどうかしらないけど、しつこく追い掛けてきた子もいたな』
呟くイザナの前髪を炎の刃がかくめる。
「いい加減におとなしくしなさい!」
エルマな動きが、変化した。円の動きに。
エルマは左足を軸に回転し、回し蹴りをイザナに放った。
イザナは……。
エルマの右足に軽く触れるようにして、自ら後ろに跳んだ。
「きゃん……!?」
イザナに右足をおされたかとでバランスを崩すエルマ。尻もちをついた。
最初のコメントを投稿しよう!