同族

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出会いがあった 一目で気に入った   闇の匂いがしたから    闇の中に住み 現実で振るえる力を持つ者   特有の匂いがした   その目は虚ろ 現実で話しているように見えて 心は闇に捕らわれている 時折うつる瞳の奥に 闇が静かに満ちている   気が付いているのかいないのか 時折、闇を吐き出す 言葉に乗せて   まとう空気が闇に侵される それは心地よく懐かしい   吐き出した闇に 自分自身が侵され、苦しんでいる   視線がぶつかる 救いを求められた気がした  思わず微笑みで返した その瞳は 氷のように冷たく どこまでも澄んで 楽しささえもうかかわせ 残酷で冷酷な光を宿す   苦しみながらもその顔は 不思議そうに問いかけてくる 何を考えているのか…と   問いに応えてまた微笑む 君の姿が懐かしいのだ…と
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