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飛田バタフライと飛田ドルフィンは近所でも評判のオシドリ夫婦だった。
夫のバタフライは国会議員、妻のドルフィンは専業主婦だった。
2人には娘の円(まどか)がいたが4年前に病気で亡くしていた。
ある日の午後、ドルフィンが夕飯のおかずを買いに出た時のことだった。
前方から何かが飛んで来た。
間一髪のところでそれを避けたドルフィンは何なのか気になって、見てみた。
すると、そこにはフライングディスクとそれに乗った赤ちゃんがいた。
驚いたドルフィンは周囲を見渡すが人影はなかった。
もう1度赤ちゃんの顔を良く見ると、ドルフィンは驚いた。
4年前に死んでしまった円にそっくりだったのだ。
どうしようか迷ったが、ドルフィンはとりあえずその赤ちゃんを家に連れて行きバタフライに相談することにした。
いつもどおり10時にバタフライは帰宅した。
そしてドルフィンはバタフライに夕方のことを話した。
その赤ちゃんを見たバタフライは突然言った。
「だったらこの子は俺達で育てないか。みろ、円にそっくりじゃないか。な、そうしよう」
「そ、そうねぇ。あなたがそこまで言うならそうしましょう」
こうして2人はこの赤ちゃんを育てることにした。
「おい、じゃあこの子はこれに乗ってきたんだから盤(ばん)って名前にしないか。円盤に乗ってきて円にこんなにも似てるんだ。いいと思わないか」
「そうね。それがいいわ」
盤は2人の子供として生きることになった。
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