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息を荒げ、互いの体液にまみれ、三度も頂点に達した。にも関わらず、さくらは「もう一回」と求めてくるのだった。
「お前、帰らなくて大丈夫なのか」
これまでに何度となく繰り返してきた言葉を、また口にしてみる。もちろん、さくらから返ってくる返事もお馴染みだった。
「だって、家がどこだかわかんないんだもん」
詮索するつもりもなかったため、それ以上は何も言わなかった。何も言わず、さくらを抱き寄せる。そして腰に手を回し、その唇に自分の唇を重ねた。
さくらという名の、十五歳の少年の肌には、いくつもの傷痕が残っている。
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