きみとの、であい。

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 屋上での不思議なやりとりは、週1回程度のペースで穏やかに続いていた。  いつの間にか、彼女がスクーリングに登校する日は屋上で彼女と昼食を取るのがどこか当たり前のようになっていて……。  スクーリングのある日なのに、きょうは朝から雨だった。  寒がりの僕は、ワイシャツの上にグレーのカーディガンを羽織って勤務する。  ふと残念だなぁと思う。  雨が降っていれば、もちろん屋上にいられるわけはない。昼飯どうしよう。どうするんだろう。  考えごとをする僕の前に、ゆらりと黒い大きな影。 「藤屋、来てるよね。鴎上さんは知らないか……。髪の長いふわふわした子」  体育教諭の黒沢さんが僕に尋ねる。藤屋さんを探しているようだ。 「藤屋ですよね?知ってますよ。きょうは見てませんけど」 「……おかしいな、俺約束してんだよ。相談があるって電話がかかってきてさ。あの子、約束を破るような子じゃないだろう?それに『姿を見た』って職員もいてさ。保健室かなぁ」  学校内にはいる、でも、姿が見えない。  背筋がぴりっと痺れて、冷たくなった。 「約束は何時だったんです?」 「13時だよ、1時間前」 「……僕も探します」  まるで何かに背中を押されるように、僕は走り出した。
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