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「っ痛!」 そんなことをぼんやり考えていたら、本日二度目の拳骨が頭に来た。 「そ……総隊長!何ですか!?」 「こっちの台詞だ!敬礼くらいしろ!」 俺は周りを見回してみた。 ――みんな一方向を向いて敬礼をしている。 その先には、俺と同い年くらいの綺麗な女の子と五十代くらいの男の人がいた。 ――王女と、その相談役のロナルド様だろう。 「お見苦しいところを見せて申し訳ありません。――ほら」 総隊長は謝れ、とでも言うかのように俺を肘で小突いた。 「すみませんでした、ローズ姫」 俺がそう言ったら、周りがざわつき始めた。 ――姫って言っちゃ駄目なんだっけ。 フレッドの言ってたことを思い出した。
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