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「何が『大したもんだ』だ偉そうにっ」
げ……。総隊長……。
「で、何でフレッドは笑ってる?」
俺が怒られているのを見てクスリと笑っていたフレッドは、総隊長にそう言われてばつの悪そうな顔をした。
「今日は王女が来るんだからな。くれぐれも無礼なことをしないように。いいな、カイル!」
そう言って総隊長は俺の背中を思い切り叩き、先にズンズン進んでいった。
「っ痛……。っていうか歩くの速いな」
「確かに。もうあんなに進んでる……」
「凄いよな、総隊長は。現場の指揮も俺達新米の指導もやってるんだから」
「だから王女に剣術教えてたんだろ」
「えっ」
それは初耳だ。
「何で知ってるんだよ」
「教えない。――あとカイル、『姫様』って呼ばない方がいいぞ」
「何で?」
「なんか子供っぽくて嫌なんだと」
「何で知ってるんだよ」
「それも教えない」
「……フレッドのケチ」
「……お前はガキか」
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