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凄絶な美貌を持つランデールの顔に、その外見とは似ても似つかない笑みが浮かんだ。
「私は闇の女王。闇の最強の使い手にして、魔物達の頂点に君臨する者よ!!」
まるで台詞を読むように堂々とした態度で、高らかに言葉を紡ぐ。
空中に向けていた両手から、自分よりも巨大な闇の力を集めた球体を作り出す。
その大きさは、まるで月でも切り取ったかのようだ。
「さよーなら」
不敵な笑みと共に、巨大な球を勢いよく目の前にある地面にたたき付けた。
それは弾け、込められていた凄まじい力が解放される。
吹き付ける突風と闇の力を前に、悪魔達はなす術もなく飲み込まれていく。
もとより悪魔というのは、闇の力が苦手だった。苦手な力が叩き込まれて、無事でいられるはずがない。
その場にいた悪魔達は、一体残らず全てが灰になってしまった。
それらを消し去る程の力。ランデールの前には、ぽっかりと巨大な穴が開いている。
「はぁ、はぁ」
力を使いすぎたからか、全力疾走したかのように体がだるい。
それを引きずるようにしながら歩いていくが、どうしても息が荒くなる。
自分の後ろを着いて歩くルカの顔は心配そうで。最近そんな表情しか見ていない。
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