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階段から下を見下ろす。やはり、自分の考えていた状況とほとんど一緒だった。 ただ違うところがあるとすれば、リディルが倒れてレイス達が戦うつもりだという事。 「……何をしてるの」 声をかけると誰よりも怯えていたのは、レイス達と向き合っていたベリオールだ。 彼がリディルを傷付けたのだろう。反応を見たらすぐに分かった。 「ラ、ランデール様!これは――」 「言い訳なんか聞きたくないわ。黙りなさい」 言い訳をしようとした彼を一言で黙らせる。唇を噛み締めたまま、彼は俯いた。 それを確認してから倒れているリディルに向かう。見た感じでの怪我はない。 しかし油断は出来ないし、何よりリディルから魔力を感じないのが気になった。 「リディル、大丈夫?」 「はい、なんとか無事です」 返事を返した後、横になっていた体制から起き上がろうとしているようだ。 しかし顔をしかめて、体も小刻みに揺れている。とても疲れているように見えた。 「魔力、どうしたの?」 問い掛けると明らかに表情が強張って。ベリオールと同じように俯いてしまう。 なにかあったのは分かるのに、その原因を言ってくれなければ自分には分からない。 ベリオールも関係しているはずだ。そしてもしかしたら、レイスとキーリも。 彼らは自分の後ろで、黙ったままこちらを見ているだけだった。
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