物語は出会いで始まる訳で

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そんなことを思っていると、先生は「まぁいい」と呟き、机に常備された灰皿に煙草を押しつけた。 じゅう、と小気味の良い音が響き、紫煙が昇る。 「俺の名はユキ・S・ダルメギア。お前等にこれから色々教える事になる。俺は厳しいから覚悟しとけよ」 ユキ先生、か。いや、ダルメギア先生かな? ……んん、言い易さ的にユキ先生かな。 そんなことを考えつつユキ先生に目を戻すと、消したばかりなのに新しい煙草を取り出していた。 そして気怠げに椅子に座り、煙を吐く。 なるほどどうやらヘビースモーカーらしい。 皆の視線を集めていることに気が付くと、後ろに撫で付けた薄青色の髪を掻き、言った。 「その、なんだ。適当に自己紹介でもしてろ」 .
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