物語は出会いで始まる訳で

16/16
前へ
/690ページ
次へ
まぁ、今はどうでも良いことで、私はユキ先生に部屋のカードキーを貰い、番号を見た。 「6009室……」 数字四ケタって。どれだけ部屋があるんですか。 ……いや、この扉の山を見れば納得かな。学園も大きいし。 訝しげな顔で考えていると、ポンと肩を叩かれた。 振り向くとそこにはびっくりするほど素敵な笑顔のシドさん。 「奇遇だな、セラ。隣だ」 そう言うシドさんの手には、6008室のカードキーがあった。 平和に、過ごせそうにないな。 何だかそんな雰囲気を感じた。 ――拝啓、天国の母さん。 私は入学早々、やっかいな友人が出来たようです。 (平和に過ごしたいなぁ) (たぶん無理なんだろうけど)
/690ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23824人が本棚に入れています
本棚に追加