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重力を無視して私の部屋の天井を歩くシドさんに声を掛けると、ようやく彼は私に気付いた様で、振り向いていつものように笑った。
電球取り替えたりだとか、やりやすそうだなぁ、あれ。
「おお、遅かったなセラ。退屈したぞ」
私が扉を開けた状態で固まっていると、シドさんは嬉しそうに天井を走ってこちらに近づいてくる。
ああ、おねがい、それ気持ち悪いから地面に降りてきて……。
願いが通じたのか違うのかは知らないが、シドさんは私の前に降り立ち、乱れた髪を簡単に直した。
「この部屋は何もないな!娯楽本くらいは置いておくべきだぞ!」
それを笑っていうからなんと腹の立つこと。
悪気があるわけではないのだろうが、流石にこれは無神経すぎると思う。
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