そもそも私は一般人で

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わくわくしながらふと隣を見ると、そこにいるはずのシドが居ないことに気付いた。 さっそく遅刻? ――否、違う。 このやろう、天井に胡坐掻いてやがる。 彼の前では重力など無意味だというのか。血上らないのか。 その上シドは呑気に鼻提灯を膨らませていた。 まったくもって自由な男だ。 やれやれと呆れたようなため息を吐く。 私は何も見なかったのだ。 そうやって心を仕切り直して教壇の方に目をやると、ユキ先生はごそごそと紙袋の中を漁っていた。 .
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