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また今日が始まる。
俺は気だるい身体を起こすと、枕元の時計に視線を移した。
AM 2:35
暗闇の中にぼんやりと浮かび上がる電子文字を確認すると、着慣れてすっかりボロボロになった黒スーツを身に纏う。
―――胸元に忍ばせるは、愛用の拳銃。
顔が割れない様にサングラスをかけると、俺は今日もまた夜の街へと向かった。
『上(ボス)からの依頼を受け、指定されたモノを届ける』
それが、俺の任務。
簡単に言えば、『泥棒』…いや、時には殺しの依頼もあるから…『殺し屋』と言った方がイイのかもしれない。
―――まぁ、名称なんて関係ナイ事だけど。
どういう風に言われたところで、俺の生きていく術は…全ては、それしかないし。
今宵もいつもの様に与えられた任務の内容を携帯メールで確認すると、俺はそれをさっさと遂行するべく、足早に猥雑の中へ歩を進めた。
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