突然の始まり

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チチチチ… いつものように小鳥が囀ずる朝、この日、藤咲アヤナはいつもよりも慌ただしい朝を送っていた。 『もー、なんで起こしてくれなかったのよー!』 アセアセと着替えるアヤナの口から出てくる文句の声に、母が答える。 『起こしたわよ?それにハァイって返事もしたじゃない、覚えてないの?』 わからない…。 しかしそれを入学式当日に確認している余裕はない。 焼きたてのバタートーストをかじりながら家を飛び出すなんてシチュエーションはよくあるパターンだが、よもや自分がやるとは。 なんて思いながらアヤナは走った。 学校の予鈴が鳴り響くと同時にアヤナは校門を駆け抜けた。 教室に入りかけたアヤナと同じくして白衣を纏った男性が近づく。 「おはよう。」 そう言われたアヤナはオウムのように挨拶を交わす。 先生の声で教室にいた皆が一斉に席につく。 黒板に書かれた白石透(しらいしとおる)の字を書き終えて、教室の沈黙は破られた 「まずは自己紹介、私は白石透だ3年間君たちの担任を勤める事になった。これからよろしくな!」 アヤナはさっき白石先生と会って挨拶を交わした時に、優しそうな先生だなと思っていた。
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