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結ばれる二人。
翌日、陽一は教授に昨日のお礼を述べた。
すると教授は笑いながら『楽しかったよ。また、食事をしよう!』と言っていたが、できれば孝史とは二度と会いたくないのが本音だ。
一例をして教授の部屋から出た陽一は、ため息をつきながら廊下を歩いていた。
するとポケットの中に入っている携帯電話のバイブが鳴り、陽一は手に取った。
画面を空けると、一通のメールが届いており、陽一は操作をしてメールを読んでみた。
メアドは登録されていないもので、いたずらか?と思っていた陽一だが、題名を見て驚きを隠せなかった。
何と、メールの題名には『桐嶋です。』と書かれているのだ。
(何で桐嶋さんが俺のメアドを知っているんだ?もしかして、香里が教えた?)
その疑問は、メールの内容を見て確信した。
『香里から教えてもらいました。実は話したい事があるので、放課後に中庭のテラス席に来て下さい。』
「桐嶋さん・・・。」
(もしかして、昨日のこと?それとも、俺の気持ちに気付いた・・・?)
動揺が隠せない。
陽一は戸惑いながらも、メールを返信した。
返信しても気持ちが落ち着かない。
心臓がバクバクと鳴って、今にでも破裂しそうである。
(きっと、拒絶される。気持ち悪いと、近付くなと言われるんだ。どうしよう・・・。)
昨日、彰吾に対する気持ちを自覚した陽一は眠れなかった。
気持ちが興奮していたのか、それとも香里に対する罪悪感のせいか。
それでも恋する気持ちは止められない。
どうしたらいいのか迷いながらも、時間は過ぎていったのである。
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