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「綾さん!出かけますよ!」
佐々木が小さなバッグを肩に掛けながら言った。
「へ?どこに?」
綾が再び寝る体勢で気の抜けた声で言う。
「昨日まであなた達がぼったくり占いしてた所ですよ。優さんからの電話ですぐに来いと」
「ふーん…行ってらっしゃーい。」
そう伸びをしながら寝ようとした綾の腕を引っ張り、佐々木は部屋を出た。
「ふぅあ~ぃ…いい天気だね~」
綾は佐々木の少し後ろを歩き、温暖な一時を満喫していた。
「そうですね、最近は暖かいですよね、……何でこんなに晴れてるのに…世の中は暗いのでしょうね…」
佐々木は暖かな日差しの中、そうつぶやいた。
「人の“heart”が暗いからじゃない?やはり人は“heart”なのよ“heart”!能力ばかりよくても“heart”が糞なら私は能力無くても思いやりとかしっかりしてる“heart”のある奴についてく。」
「………“heart”ですか…」
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