30歳になったら…

プロローグ

尚矢はとにかくモテる。

整った顔立ちにスリムな体型。

無駄のない筋肉に、優しい性格。

彼はいわゆるイケメンだった。

ただ、恋愛に関しては多少臆病で、女に振られては、麻耶に泣きついていた。

麻耶は頼りにされることすら嬉しかった。

それと同時に、いつの日か彼女として尚矢の隣に並びたいという気持ちが胸を締め付けた。

しかし、尚矢が麻耶の気持ちに気づくことはなかった。