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「ではゲートの奥へ移動して頂きます」
「くっ……!」
逃げ場はない……
とっ……飛ばなければならないのか……私はっ……
良彦は足を引きずるようにして、ゲートの奥へと進んだ。
「ひ…ひぃっ……!」
長方形の鉄板の上に足を乗せると、立ちくらみを起こしそうなほど高い。
下を見ないようにしてゲートの縁(へり)にしがみつく。
カチャリとゲートが閉められた後で、久保塚が口を開いた。
「私は今から皆様にご説明をして参ります。それが終わりましたらストップウォッチのカウントを開始致しますので、それまではお待ち下さい。カウントが始まりましたらいつでもお飛び頂いて結構でございます」
「ゆっ……ゆっくり皆に説明してやってくれ……」
良彦にはそれだけしか言えなかった。
一分、一秒でも時間を延ばすことしか……。
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