自分で蒔いた胞子

2/55
前へ
/57ページ
次へ
そこまで書いて、魔理沙はその本を本棚にしまう。 大切な本を詰め込んだその本棚に結界を施す。 家に張った結界が大きく軋む。 「もう、限界か・・・」 魔理沙は呟き、近くに置いた愛用の箒を手に取る。 「・・・・・・最後の飛行だ。最後までお世話になるな」 そう言うと、箒に跨り、浮かぶ。 その瞳には涙が浮かんでいた。 二十四時間ともう少し前のこと 魔理沙は暇だった。 アリスは人形製作、パチュリーは新しい魔法の研究と言って家に引きこもっており、霊夢の所に行くのは構わないが偶には違うこともしてみたい。 宴会だとしてもそれは夜からになるだろうし、今は真昼間だ。 「……暇だぜー」 家に居ても暇なのは解消されないので、外を飛び回って面白そうな場所を探すことにする。 ………『あるもの』を持って  
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78人が本棚に入れています
本棚に追加