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私が少年と出会ったのは、丁度蕗の群生する季節だった。
海を渡って踏みしめた彼の地は、見渡す限りの緑で、傘代わりにもなるというその葉を繁らせた中で、少年はこちらを見ていたのだ。
私はと言えば、全てを捨て置いて彼の地に逃げてきただけの、しがない男なのであるが。蕗の葉に隠れる少年もまた、あまり良い服も着ていない、人々から白い目で見られる類の者であった。
歳は知らない、しかしとても小さなもので、いつも蕗の葉を持ち、歩き回るような者でもあったのだ。
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