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あれは、いつだったか…俺が荒れに荒れてた時期だったのは覚えてる。
毎日毎晩喧嘩に明け暮れて、その日も同じやった。
ただ違ったのは、その日は久々の負け試合やった事。
さらに、真冬の時期に服はボロボロで、公園で気を失っていた。
失っていた筈だった。
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だんだんと体に熱が伝わり、視界が広がり出す。
「っ…て…」
体のあちこちが痛ぇ。
「つか、ここ何処や…?」
見慣れない天井、匂い。
ゆっくり体を起こし周りを見渡す。
あ?…俺、公園で喧嘩しててほんで…。何で家ん中でベッドの上?
そんな事をボケッと考えていると、バシン!と扉が開きちっちゃいガキが入ってくる。
「あ!起きたぁ!にーちゃん大丈夫?あ!かぁちゃん呼んでくるなっ!」
そう言って走り出そうとするガキを呼び止める。
「お前誰?ほんでここ何処やねん?」
そうすると、俺の方に寄ってきて、ちょこんと目の前に立つ。普段ならありえない光景。
誰もが俺を避け、近付かない。こんなちびなガキなら尚更。 なのにこいつは、そんな事を気にしてない様子。
「そうやよね!じこしょーかいしやなダメよねぇ!おれは…」
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