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「とぉちゃん!そこに正座しなさい!」
「っ…」
今度再び目を開けると、そこではさっき俺に説教たれてた奴が、正座されられ、可愛い息子に説教をくらっていた。
「何でそんな事したの!にーちゃんにっ!」
「だって、黙って帰ろうとしてたんやもんっ!とぉちゃんは悪くな…」
「悪い子よ!とぉちゃんはっ!」
「旬~」
なんやねん…この光景。
虫酸が走る。息が詰まる。何やねん…この感情。
「あ!にーちゃん!」
とたとたと旬が走ってきて、俺の首に巻き付く。
「離れろ」
「やっ!とぉちゃんは俺が怒っといたから!」
耳元ででけー声出すなや。
「こぉら!旬!お兄ちゃん苦しいやろ?離したり」
ベッドのすぐ横に立ち、旬の首根っこを掴みながら、微笑む女の姿。
「かぁちゃん…」
「ごめんなさいね。旬ったら」
俺の目をしっかり見つめて、さらに微笑む。
泣きそう。
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