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「仕方ないだろ?誤ってあんなタイムを出しちゃったんだから。」
ブスッとした表情で、言い訳をする厚志。
「まだ…制御仕切れてないの?」
「ああ…困った事に。」
「ホント困ったものね~。
自分の身体をまともに制御出来ないなんて。
でも、今日は久々に一緒に部活が出来て楽しかったよ厚ちゃん♪」
夏希は満面の笑顔で振り向いた。
胸は無いが美少女の夏希が、そんな風に動くと様になるし思わずドキッとなる。
厚志はつい顔を背けてしまう。
「あれ、どうしたの?
厚ちゃん、顔が紅いけど。」
「ゆ、夕日の性だろ?」
そんな事を言ってみたが、いきなり自己嫌悪に陥る。
(な~にをベタな事を言ってんだよ~俺は?
馬鹿か、馬鹿なのか?
俺って奴は………)
本当に馬鹿だった。
「なに頭を抱えてんの?」
「ほっといてくれ。」
今や何もしなくても脚が速い厚志は、競技などでは手加減をしなければならない。
そういうルールが在るわけではないが、騒ぎになるしそれに………本気になれない。
自分と同じ使い手でもなければ相手にならない以上、結果が分かってしまい面白くない。
こんな馬鹿げたタイム、相手もやる気を無くすだろうし。
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