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俺は新弥を引っ張りながら部屋に連れ込んだ。
そして指をさし「ほら!」と言う。
そしたらほら、また優しく撫でてくれる。
俺はそれだけで幸せなんだ。
「すごいなー」と笑いながら俺を抱えベッドに腰掛け、俺は新弥の膝の上。
「なぁ黄泉」
「んー?」
少し悲しい顔をした。
(気がした)
そのまま「あのさぁー」と続け間を置いて小さく息を吸い言った。
「オフの2日さあ、お前家出るなよ」
「へ?」
俺はキョトンとした間抜けた面で、間抜けた声を出した。
ただ、言った本人はすごく真剣だったみたいで、俺が落ちないようにお腹に回された腕に力を込めた。
「なんで...?」
意図も何もわかっていない俺は静かに聞いた。
すると新弥は慌てた声で「べ、別に...」と答えた。
その反応に思わずクスッと笑うと新弥は
「笑うなッ」と焦ったように言う。
その時の彼の心臓の音が速まってることに気付いた。
言いはしないけど。
「真面目に聞いてくれよ...」
力なく言う新弥の言葉に耳を傾けうん、と返事した。
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