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あれから…
堺くんこと、文章とは妙に気が合い、
一緒にいる事が多くなった。
ちなみに、文章と書いて“フミアキ”と読むんだそうだ。
付き合ってみると文章は爽やかなだけじゃなく、毒舌野郎で腹黒だった!
笑顔で話していた女子を、
「あの子に話しかけられると阿呆がうつる」
なんて平気で酷評する。
そんな風に思っていたのか!
日々驚きの連続だ。
そして、天狗の足跡写メからどういう訳か、
『吉田くんに写メってもらうと悪魔払いになる』
と、女子達に噂されるようになった。
「吉田くん、写メ撮ってぇ~」
と、女子に言われ、たかられ、嬉しくなくもない。
「堺くぅん。どうせだから一緒に写らない?」
って、そういう事かよ!な展開だけどっっ
文章は女子に凄く人気がある。
誰にでも愛想よく、冷たくあしらったりしない。
が、ものっ凄く近寄りがたい。
アホな事で話しかけるなよ。
な神々しいオーラ出しまくりなのだ。
実際下らない噂話しをしに来た女子に、
「図書室に用があるんだ。ゴメンね」
と、爽やかスマイルを残して席を立ったり、
席から動けない状況のときは、
「ゴメンね。今日中にこの資料済ませたくて」
と、すまなさそうな爽やか笑顔でファイルを取り出し、追い返す。
「何やってるの?手伝おうか?」
と、なおも粘る女子には、
「…亡くなった父の裁判資料」
とフリーズさせると同時に、相手の無神経さをチクリと射す事を言う。
嘘であるが。
そんなガードの固い文章にお調子者のオレがくっついて、
コレ幸いと女子群は思ったのであろう。
で、
「堺くぅん。どうせだから一緒に写らない?」
になった。
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