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「ただいま」
バニラを引き連れたまま、僕は自宅に帰った。
すると、エプロンを身に着けたナイトメアが少し頬を膨らませながらも嬉しそうに出迎えてくれた。
「もう、白!出かけるなら起こしてくださいよ!」
「熟睡してたからな。起こすのも悪いと思って」
「そう言って、本当は起こすのが面倒だっただけでしょう?」
半分はそうだが、残り半分はバニラがいるからだ。
彼女が何者なのかを見極めなければならないと判断したから、彼を起こさずに外へ出たのだ。
「そうだ、この子、知ってるよな?」
「どの子です?」
「僕の後ろにいる子だよ」
「……?」
怪訝そうな顔をするものだから、僕はゆっくりと後ろを向いた。
そこには少女の影も形も無かった。
「……バニラ?どこだ?」
あたりを見渡してみたが、彼女はいなかった。
隠れているのではなく、本当にいなくなってしまったのだ。
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