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『フフ、始まったな』
『どうやらその様ですね…』
薄暗い部屋の中、
二人の声がしていた。
『果たして何人が生き残るでしょうか。』
『フフ、無理だな。今回のチルドレンはレベルが低い。』
白い光のモニターには、携帯を持った稲生がアップで映し出されていた。
『そうでしょうか。』
『……?』
『私には、ファーストチルドレンよりレベルが高い気がします。』
『……フフフ。掛布の事か。君はたまに面白い事を言う。』
『ええ、そうです。我々の予想を超越したスキルでこのゲイムをクリアした伝説の男、掛布。
私は六人に、それ以上の何かを感じてます。』
モニターには、稲尾が携帯を閉じる姿が大きく映し出されている。
『特に、この男にね』
そう言って、稲尾を指差した。
『フフ、どうかな。その男は闘う前にリタイアしそうに思えるが。』
そんな稲尾の声が、
モニターを通して聞こえて来る。
【チェケラ達~、俺は今、吉野家を辞めたぜ~】
女はモニターから振り返り、そして歩き出す。
『座長、どうやら今回は、あなたの思い通りには行かない様ですね。』
そう言い残して薄暗い部屋を後にした。
▽ゆうび▽
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